こんにちは、
幸せサロン育成コーチのげしあゆみです。
効果的な謝り方がサロンを守る、強くする “あやまりっぷりのいいサロン”
サロンで『お客様が遅刻して来て、さらにデザインを悩みに悩み、施術の時間が予定よりも1時間遅れた。
その結果、そのあとの大事な約束に遅れてしまった!とクレームになった』
こんなケースで、あなただったら謝りますか?それとも謝らずに済ませますか?
以前、開業したてのお一人サロンの頃、実際に私のサロンであったクレームです。
当時付き合っていた美容室オーナーと、この件をブレストした際、お客さまにどのラインで謝るかということで、マジ喧嘩になったことがあります(笑)
バカですね〜、同業者で付き合うと”あるある”ですよね。
彼はアメリカで修行を積んだ美容師さんでしたが、もう文化の違いなの?性格の違い?「謝らない」派。
私は「潔く謝る」派!
いや、めちゃめちゃ腕があって、お客さまにも信頼されている尊敬する美容師さんですよ。
「アメリカでは謝る=こちらが悪いと認める、つけ込まれる可能性を高める」という考えのもと。一理あると思います。
冒頭の例で言うならば、(ないと思いますが)そこから損害賠償されるのを懸念しているわけです。謝るとしても自体が把握、収集できてから。
でも本当に、こちらに非はないのでしょうか?
例えば、
- 事前(予約時)に、お時間に遅れていらした際のポリシーをお伝えしていなかった
- 遅れて来た時点で終わりの時間の案内をしなかった
- デザインを決めやすいカウンセリングができなかった
よっぽどのクレーマーでいない限り、事前に防げることも含めて「こちらに全く非がない・原因がない」というケースは稀です。もし、本当に非がないのであれば、お客様は怒っていないからです。
お客様からすると「期待を裏切られた」ことに間違いはないわけです。
ただし「ハイハイ、謝ればいーんでしょ」と言う気持ちで謝罪をしたとしても、お客様にはそのまま伝わり「何その態度!!」と逆上させてしまうことも。
少なくとも怒りが静まることはないはずです。
謝罪は相手の気持ちを和らげるため
「謝るか・謝らないか」どっちが良い・悪いの話ではなくね
私は「謝る=気持ちの交換」だと考えています。そもそも謝る目的はなんでしょうか?
それは「自分が許してもらうため」「自分を正当化するため」ではなく「相手の怒りを鎮めたり気持ちを癒すため」その結果、トラブルを解決するためです。もっと言えば、今回の対応を機に、サロンやスタッフのファンになってもらうところまで、考えています。
お客様の心に届いてこそ、「謝罪」といえます。
不祥事などのニュースで会社の役員や芸能人の謝罪によって、世論の賛否両論が分かれるのも「形式的な謝罪」か「心からの謝罪」かが、人にはとても分かりやすすく伝わるからではないでしょうか。
本当に問題やクレームを解決するためには「歩み寄り」が必要です。そのためには必ず、サロンからのお願いや提案を了解してもらう必要があります。
「相手の気持ちを和らげたあと」でないと、こちらからのお願いや提案も伝わらないし、納得してもらえません。
もちろん、形式的な謝罪や言い訳、弁解、人のせいにすることは反感をかうだけで、怒りを和らげることはできません。
怒っているお客様が欲しいのは、「“潔い謝りっぷり”と”思いやりの気持ち”」そしてできる限りスピーディーに今後の対応をする。
怒っているお客様の目線に立って考えてみれば、誠実に、シンプルに謝ることが一番お互いのためで、サロンを守ることになる、ということが分かるはずです。
反感と反論を最小限に抑える謝罪のステップ
①まずは「言葉」と「態度」で謝罪の気持ちを示す
「自分が悪いかどうか」ではなく、「お客様に嫌な気持ちをさせたこと」「お客様の期待を裏切ったこと」に対して誠実に謝る姿勢を見せること。
頭を下げて真摯な態度で。強目の口調ではなく、少し沈んだ表情、言い方で言うと申し訳ない気持ちと反省が伝わります。
お客様を心配する言葉、気にかける言葉も伝えます。
②言い訳ではなく経緯・原因を説明
「どうしてそうなってしまったか」という事実関係や経緯を明確に伝えると、今回の問題に至った分岐点が明確になるため、自然と「自分にも悪いところがあった」とお客様に悟ってもらうことができます。
ここでお客様の非を責めるのは逆効果。自分を守るための言い訳や弁解も不要です。
あくまで「あ、ここは私も悪かったな」とお客様自身に気づいてもらうこと。
③今後の対応
「で、どうするの?」というのがお客様が一番聞きたいこと。
すぐに対策を打てるのであれば、解決案を提案。もう済んでしまったことなら今後の防止策を。
もし、また同じことで、同じ思いをさせてしまったら、クレームの影響は広まり、深くなる可能性を高めますので、対応そのものだけでなく、対応後のフォローにも全力で取り組むこと。
④最後は反省と感謝の言葉で締めくくる
お互いの後味をよくするためにも、最後は感謝の言葉を。「お話を聞いていただき〜」「お許しをいただき〜」「教えていただき〜」と”ありがとうございます”は怒りを鎮める魔法の言葉。
今一度編成の言葉も伝えると良いですね。
冒頭の例でいうと、
①謝罪:まず、お時間にお遅れになる、とお電話をいただいた際に、終了のお時間をお伝えしなかったこと、早めにデザインを決めていただければこの時間で終わります、という条件を伝えていなかったことを謝罪しました。
(終わりの時間を言ってくれていれば、自分も先方に連絡できたのに!後からデザイン決めるのを急いで欲しい、と言われても困る、というお怒りの内容でしたので)
②経緯:合計2時間半かかった系を説明させていただきますと、30分遅れていらしたのち、通常であれば、デザインをお選びいただける時間も含めまして90分でできるところ、30分遅れて120分になってしまいました。
③対応:今後は終了時刻、時間内に終わらせるための条件をできる限り早めのタイミングでお伝えするようにします。
④感謝:今回のご指南のおかげで、同じケースが起きた際に、お客様にご心配をおかけしないで済むようになります。ありがとうございます。
このケースでは、はじめの謝罪を伝えた時点で、お客様の怒りは80%は収まっていました。
ご自分が理不尽なことを言っている、と悟ってくれたのかもしれません。
ただ本当に大事な約束だっんだろうな、とその気持ちを思いやれば、私も心から「申し訳ないことをしてしまったな」という気持ちになれました。
結局このお客様は結婚してお引越しされるまでの7年間、サロンに通い続けてくれてたくさんのお客様を紹介してくれるファン顧客へと昇華してくれたんですね。
サロンを守るだけでなく、サロンを強くする謝罪。
いつでも”効果的な謝り方”ができるように、準備をしておくことをオススメします。